

表現と奇跡は同義語です。人の心に燃える情念をメスの先鋭さで描きたい。そんな邂逅を夢見て、絵の具を垂らし、線を引きます。創作という名の荒野をほっつき歩いていると、へとへとになったり、宝物に巡り会えたりします。この繰り返しが楽しくて仕方がありません。
2017年から1年半、五木寛之さんの23年ぶりの連載小説『新 青春の門』(週刊現代)の挿絵画家という大役を頂きました。毎週締め切りに追われる日々は心地よいプレッシャーでした。五木さんの原稿から匂い立つ創作魂が確かに私にも飛び火していると感じました。残念ながら現在連載は中断していますが、必ずや再開してくださるとファンの皆様と共に待ち望んでおります。
2019年11月某日
イラストレーター 藤居正彦
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